田植えシーズン真っ最中です。今後、重要となるほ場管理について確認しましょう。
除草剤散布・水管理
除草剤散布時の水深は、ジャンボ剤・フロアブル剤は必ず5~6㎝の湛水状態を保ちましょう。藻・浮草が発生していると、拡散が不十分となり効果が下がることがありますので、使用時期の範囲内で早めに散布してください。また、次の3つの点に注意しましょう。なお一部の商品では、移植時に使用できないものがありますので、使用前にはラベルをよく読んで確認してください。
① 除草剤を田植え時に同時処理する際は、散布前に一度湛水し、水尻や畦畔からモグラ穴やザリガニ穴などによる漏水がないかチェックをする
② 露出した稲の根に直接除草成分が触れると薬害の危険性が高まるため、浅植え、浮き苗が出ないように田植え作業は丁寧に行う
③ 田植え(入水後)の水管理は、水口と水尻をしっかりと止め、漏水や掛け流しをしない(約1週間)
溝切り・中干し
溝切り・中干しは目標穂数8割の茎数が確保できれば遅れず実施し、強制落水を行わず自然減水で中干ししましょう。葉色が薄く、分げつが進んでいないほ場では還元障害を起こしていると考えられるので、すぐに中干しを行ってください。
中干し開始の茎数目安
【みずかがみ・コシヒカリ・滋賀羽二重糯】 16本程度/株
【キヌヒカリ・きぬむすめ・日本晴】 18本程度/株
溝切りの目的
①中干しの効果を高める
②中干し後の水管理を行いやすくする
③収穫期に短期間で落水しやすくする
溝切りのポイント
水管理が簡単にできるよう、溝切りは10a当たり1本は設置しましょう。
中干しの目的
① 無効分げつを抑制し、過繁茂を防ぐ
② 土壌中に酸素を供給し、根腐れの防止や根の伸張を促す
③ 田面を硬くして収穫直前まで入水できるようにし、胴割れの防止や粒厚の確保につなげる
中干しのポイント
期間の目安は14日間以上です。硬質田は軽く、粘質田はやや強く中干しをしますが、極端に強い中干しは根を傷めることになるので注意しましょう。なお、中干しの程度は、軽くひび割れし、長靴や運動靴でほ場が歩ける(白乾させない)程度です。乾燥し過ぎ
る場合は、適宜差し水を行ってください。