本年は、4月上旬の気温が高く推移し、降水量はやや多くなり5月上旬の強風による植え痛みが若干見られましたが、おおむね順調に植え付けが行われました。今後、急激な冷え込みや猛暑、渇水など異常気象が発生することもあるため、気象情報に注意して栽培管理を行いましょう。6月は次の管理を徹底し、安全な作業を心がけてください。
■水管理(中干し)
〈効果〉
⃝ 過繁茂防止、田面硬化、土中に溜まっている不要なガスを抜きます。
⃝ 穂数制限により、胴割れ防止、粒厚確保、食味向上を図ります。
⃝ イネの倒伏に関わる茎の基部を強くし、根に酸素を与えて力をつけます。
⃝ 無効分げつの発生を抑えます。
〈時期の目安〉
目標とする茎数の約8割を確保したら、すぐに行います。
〈主要品種の茎数目安〉
コシヒカリ…16本程度/株 日本晴……………18本程度/株
キヌヒカリ…18本程度/株 滋賀羽二重もち…16本程度/株
秋の詩………18本程度/株 みずかがみ………16本程度/株
〈方法〉
⃝ 事前に水管理が簡単にできるよう、5~10mごとに「溝切り」をしておきます。
⃝ 中干しの程度は、ほ場の条件に応じて行います(適度に当て水をしながら管理してください)。
⃝ 肥えたほ場や、ワラきゅう肥などを多く施したほ場、また粘土分が多く水はけの悪いほ場では、田面に割れ目が入り、踏み込むと足跡が軽く付く程度に干します。
⃝ 硬質田は軽く、粘質田はやや強くしますが、極端に強い中干しは根を傷めることになるので注意しましょう。
■追肥
⃝ 施肥田植機、転作跡、緩効性(一発)肥料、堆肥施用のところでは、追肥は必要ありません。
⃝ JAこうか特別栽培米あるいは環境こだわり米に取り組まれている場合は、肥料に制限がありますので、散布量などに注意してください。
⃝カレンダーや肥料の予約申込のしおりに品種毎の詳細が掲載してありますので、ご活用ください。また、研修会などで質問してください。
〈施用時期の目安〉
●コシヒカリ・キヌヒカリ(施用基準日は6月10日)
6月上旬頃の茎数が……10本以下/株 → すぐ施用
10~18本/株 → 基準日頃に施用
18本以上/株 → 時期を遅らせる(基準日より2~3日後
■いもち病
置き苗は、いもち病蔓まん延えんのもととなるため、できるだけ早く処分してください。また、JAこうか特別栽培米に取り組まれている方はいもち病に本田散布の薬剤(コラトップ粒剤など)は使用できませんので、万一、本田で葉いもち病が蔓延している場合は営農経済センターへ事前にご相談ください。農薬を使用される場合は、必ず手持ちの農薬容器ラベルを熟読してご使用ください。