連作障害とは
同じ種類の野菜(表1)を、同じ場所で作り続けていると生育が悪くなったり、枯れてしまったりすることがあります。これを「連作障害」といいます。土壌中の病害虫の発生と肥料成分や微生物のバランスの崩れが主な原因です。
(表1)
アブラナ科 |
キャベツ、ハクサイ、カブ、ダイコンなど |
ナス科 |
ナス、ピーマン、トマト、ジャガイモなど |
ウリ科 |
カボチャ、 |
連作障害の出やすい野菜と出にくい野菜がありますので、(表2)を参考に栽培計画を立てましょう。
(表2)
次に野菜を栽培できるまでの目安 | 野菜名 |
連作可能 | カボチャ、タマネギ、ニンジン、ネギなど |
1年休む | カブ、コマツナ、ダイコンなど |
2年休む | キュウリ、ハクサイ、ジャガイモなど |
3~4年休む | サトイモ、トマト、ナス、ピーマンなど |
連作障害を防ぐには
さまざまな要因により起こる連作障害を効果的に抑制するには、次のような方法があります。一つだけでなくそれぞれを組み合わせて行いましょう。
①輪作(ブロックローテーション)
連作障害は、同じ作物を同じ場所で栽培すると発生しやすくなるので、毎年どの場所で何を栽培するかを十分に計画し、常に違う作物が植えられるようにしてください。
②コンパニオンプランツの活用
2種類以上の植物を近距離に植えて栽培すると、生育が良くなったり、病害虫が減るなどの効果が現れることがあり、そのような関係にある植物同士を「コンパニオンプランツ」といいます。例えばキュウリの場合には、つる割病を防ぐために葉ネギを植えることがあります。
③有機物の投入
堆肥や緑肥作物などの有機物を土壌に投入し、土壌中の有用微生物の密度を高め、微量要素の補給を行います。
④適切な施肥管理
土壌診断などを行い、作物の生育に応じて必要な施肥を行うことで、生理障害の発生を抑制することができます。
⑤接木苗の活用
果菜類の栽培で、連作障害や生理障害が心配な場合は、接木苗を使用することで軽減できます。
⑥土壌消毒
夏場の気温が高い時期に、ポリマルチを土壌表面に張り、太陽熱により土壌温度を上昇させて物理的に病原体や害虫を駆除する太陽熱消毒法があります。
⑦作物を作らない時期の灌水管理
多くの病原体や害虫は水中で長時間生存できないので、ほ場に一定期間水を溜める「灌水」を行いましょう。また、水溶性の塩類や肥料成分も灌水によってほ場外に排出できるので、塩害の軽減にも効果があります。