新年あけましておめでとうございます。
組合員の皆さまにはご家族お揃いでお健やかに新年をお迎えのこと心からお慶び申し上げます。
旧年中は、JAこうかの各事業ならびに運営に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年の農業・JAを取り巻く情勢は、例年にも増して激変の年でありました。
二月に閣議決定され、八月から施行された「農業競争力強化支援法」では、農業者には農業経営の改善を求め、更にJA等の農業者団体には農業者の所得拡大に取り組むよう、努力義務が課せられました。当JAでも資材価格の見直しに着手し、肥料・農薬等の生産資材価格を一部引き下げました。また、県内JAに先がけて、一昨年から業務用米「きぬむすめ」をはじめとする農産物の買取販売にも取り組んでいます。
一方で、米国が撤退したにもかかわらず、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、11カ国で発効を目指す協定(TPP11)へと姿を変え、いつしか大筋合意し、見直し条項の追加等不透明な部分を残しながら国内批准に向けて突き進んでいます。TPP交渉を主導してきた安倍首相はアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で
「大筋合意を確認できたことは世界に向けた力強いメッセージだ」と述べています。しかし、その裏側で米国との「二国間FTA」締結がトランプ政権から求められ、年明けには交渉に入ることが既定路線のように語られております。一方、今後はEUとのEPA交渉の大枠合意を契機として、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)等の国際通商交渉の動きが活発化していくことが想定され、TPP以上の農産物の関税削減・撤廃の譲歩を求められるのではないかと懸念しています。
また農業改革の名のもと「農業の三十年問題」といわれる所得補償の全面廃止と生産目標数量の国からの割当廃止が行われますが、このことが本当に農業生産の拡大と農業所得の増大につながるのか疑問です。滋賀県では、滋賀県農業再生協議会を通じ昨年末に平成三十年産米の生産目標を決定し、長期的な視点に立ち水田フル活用ビジョンの着実な推進による米価の安定を目指しています。
JAこうかの自己改革は、昨年の総代会で三ヵ年の工程表を示させていただいているところです。これからも組合員とともに利用者や地域の皆さまから信頼され、必要とされるJAを目指し、役職員が一丸となって取り組んでまいりますので、より一層のご支援とご協力をお願い申し上げ年頭の挨拶とさせていただきます。
JAこうか代表理事組合長 山田嘉一郎