1月に入ると、麦は生育停滞期となり、湿害や積雪により根が弱って雪腐病(褐色雪腐病)などの発生が心配されます。湿害を防止するため、ほ場の排水対策が重要となります。
排水対策のポイント
- 雨が降った後に、ほ場を見回って水が溜まりやすい箇所を確認する
- 溝に溜まった水が速やかに流れ出るよう、溝の障害物を除去し、排水溝への「つなぎ」を補修する
- 畝うね幅が広過ぎる場合は、5m程度となるよう、排水溝をつける
麦踏み
麦の品質・収量向上の技術として、麦踏みがあります。実施の際は、湿潤時の作業を避け、比較的乾いた状態で行いましょう。
麦踏みの効果
- 麦の葉や茎を折り曲げ傷をつけることで、その後に出てくる茎葉を硬く短くし、根張りがよくなって耐寒性が増す
- 茎を折り曲げることで、幼穂分化を遅らせ茎の分けつが増加する
- 土壌を鎮圧するため、霜柱などによる麦の根の浮き上がりを防止する
作業時期
- 分げつ期(12月中・下旬) ~ 節間伸長期(2月中旬頃)
追肥
麦の茎数不足は、穂数不足につながり、収量低下を招きます。茎数を確保するため、追肥を施用しましょう。昨年実施できていないほ場では、遅くとも1月中旬頃までには、施用してください。追肥量の目安として、「NK化成№19抑えきいろ」を10aあたり10㎏施用してください。
※ 省力型の肥料(「麦笑」および「麦パンチ」)をお使いの場合は追肥の必要はありません。