気温の上昇により、茶樹の生育も活発化してきます。一番茶の伸育前には速効性肥料を主体とした芽出し肥を施しましょう。あわせて、一番茶の収穫に向け防霜ファンや摘採機、製茶機械などの点検・メンテナンスを行いましょう。
■春整枝
秋整枝を行わなかった茶園では春整枝を行いましょう。春整枝は地下部の活動が始まる直前(平坦地では3月上旬~中旬頃、山間地では3月中旬~下旬頃)に実施し、整枝位置については、前年の二番茶摘採後の整枝面から4~6㎝上の高さで行いましょう。整枝位置が深すぎると秋から冬にかけて充実した芽が刈り取られ、萌芽の遅れや、減収の原因となりますので注意しましょう。
■カンザワハダニ
越冬ダニは3月中旬~下旬が基幹防除の時期となります。茶園をよく観察し、発生初期の防除に努めましょう。薬剤散布について、ダニが生息しているすそ部の葉裏まで薬剤がしっかりかかるよう丁寧に散布し、薬剤の選択については抵抗性固体の出現防止のため同一系薬剤の連用を避けるように努めましょう。
なお、農薬の散布前にはラベルをよく読み、使用基準を遵守するとともに、防護メガネや防護マスクなどの着用を遵守しましょう。また、風が強い日など、他の農産物に飛散する恐れのある日は散布を避けるなど細心の注意を払いましょう。
■凍霜害対策
凍霜害は春先の低温障害により、新芽の生育が抑制されたり、一番茶の収量に大きく影響を及ぼします。近年、早春期の気象変動が大きく、萌芽期以前に凍霜害の影響を受けることが見受けられます。防霜ファンの適切な稼働時期や設定温度の判断を行い、必ず事前に稼働点検を行いましょう。