苗の良し悪しはその年の収量、品質を左右するものです。もう一度ハウス育苗の作業内容を確認しましょう。
種籾の温湯消毒
温湯消毒とは、ばか苗病やいもち病、苗立枯細菌病などを防ぐために、種籾を60~62℃のお湯に10分間浸種することです。販売している消毒後の種籾は十分に水切りの作業をしてありますが、紙袋から取り出しスノコなどの上に広げて保管してください。
種子消毒・浸種
薬剤を使用して種子消毒する場合は、薬剤の濃度や浸漬時間に注意して行ってください。一般的に行われる種子消毒の例としては、「スミチオン乳剤(1︐000倍)+テクリードCフロアブル(200倍)の液に24時間浸漬する」方法があります。消毒後は日陰で1~2日間風乾してください。なお、特別栽培米に取り組んでおられる方は、種子消毒に薬剤を使用することはできないので注意してください。
また、浸種は「平均水温×日数→約100℃」が基本です。例として、平均水温が15℃の場合で約7日間(15℃×7日間→約100℃)となります。浸種する水温は10℃以上になるように調整してください。
催芽・播種
催芽は30~32℃の温度で行ってください。品種によって1.5~2日間とバラつきがありますのでご注意ください。
播種の際は、育苗箱1枚あたり約3㎏ の床土を均平にし、催芽籾で160~180g 播種してください。播種後は4㎜程度(0.8~1.0㎏)覆土してください。
出芽・緑化
育苗器の電源を入れ30~32℃に温度を調整し、出芽長が約1㎝になるまで出芽させます(2~3日)。その後は育苗器の棚、またはハウスの中に出芽した育苗箱を並べ、保温シートを被せる方法によって緑化してください(昼間22~25℃、夜間15~18℃で2~3日間)。なお、この間に直射日光にさらすと白化現象を起こすことがあるため注意してください。
硬化
緑化~硬化させる期間(10~15日)のポイントは、①よく日に当てる ②ハウスの室温管理(昼間18~20℃、夜間12~15℃) ③水やりです。
なお、移植時期に近づくほど、寒さに慣らして1日にやる水量を増やしてください。
※ 近年、育苗期間中の荒天が目立ちます。ハウスバンドや留め具を適所に使い、強風に備えてください。また、ハウスの室温管理には保温シートを活用してください