400年続く

水口の伝統干瓢

A 400-Year Tradition

東海道・水口宿。広重が「名物」と描いた干瓢は、
400年経った今も同じ製法で作られています。

水で戻したときにやわらかく、だしを含みやすい。
この特性ゆえに、水口かんぴょうは
巻き寿司の具材として、煮物の一品として、
料理の結びとして、
和食の現場で長く使われてきました。

古くから守られてきた伝統のユウガオ、
水口の風土、そして作り手の丁寧な仕事。
そのすべてが重なって生まれる味わいです。

途切れなかった

干瓢

An Unbroken Legacy

水口かんぴょうの歴史は、慶長のはじめ(1600年頃)、水口岡山城主・長束正家による生産奨励にまで遡ります。

水口は東海道の宿場町として、京都・大阪という大消費地に近く、軽くて日持ちのする干瓢は、街道土産として重宝されました。この地の利と保存性が重なって、水口は干瓢の名産地として発展していきます。

元禄2年(1689)には、井上兵左衛門が山神の地を開墾し、原料となるユウガオを育てて「干しかんぴょう」として売り出した記録が残っています。室町時代には、軽量で栄養価が高いことから、甲賀忍者の携行食として用いられていたとも伝えられています。

天保4年(1833)頃、初代歌川広重は「東海道五十三次之内 水口 名物干瓢」に、水口宿で干瓢を仕立てる人々の姿を描きました。水口かんぴょうは、このとき既に街道の「名物」でした。松尾芭蕉や尾崎紅葉など、有名な歌人の詩にも詠まれたと伝わります。

四百年というのは、ただ続いてきた年数ではありません。同じ土地で、同じ手仕事が、一度も途切れずに受け継がれてきた年数です。

伝統製法への

こだわり

Time-Honored Craft

水口かんぴょうは、農家によって丁寧に剥かれ、天日と風の力で干し上げられます。太陽の光と自然の風に委ねるからこそ、やわらかな繊維と、だしを含みやすい製品に仕上がります。

そして、漂白を行いません。ユウガオという野菜が本来持つ、淡く優しい色合いと、繊細な風味を、そのまま届けるためです。

天候に仕上がりを委ねる以上、乾き具合も、製品の色も、毎日同じではありません。天気が良く早く乾く日もあれば、湿度が高く乾きにくい日もあります。また乾燥の過程で傷んでしまい商品として出荷できない場合も少なくありません。それでも、大切なこの手間を惜しまず、選りすぐりの干瓢だけを届けることで、水口かんぴょうの品質を守り続けています。四百年、変えずに続けてきた理由が、ここにあります。

400年愛され続ける

至極の素材

Chosen by Chefs

かんぴょう巻きは、水口町で栽培されたユウガオの実だけを用いて具が干瓢だけの、シンプルな巻物です。だからこそ、水口かんぴょうそのものの質が、そのまま仕上がりになります。

水で戻したときのやわらかさ、煮含めたときのだしの入り方、噛んだときの繊維のしなり。水口かんぴょうの特性は、こうした一手一手に表れます。手剥きと天日干しでやわらかく仕上げ、漂白をせず干瓢本来の風味を残した一本は、酢飯と海苔だけのなかでこそ、その違いがはっきりと伝わります。

素材の質に、職人の仕事が応える。水口かんぴょうは、全国の寿司職人や料理人、地元の料亭に選ばれています。

宇川ずし、そして”なかご” 

水口でしか
出会えない食文化

A Living Food Culture

水口かんぴょうは、水口町宇川地区に伝わる郷土料理「宇川ずし」に、ふんだんに使われてきました。毎年4月25日の祭礼に合わせて作られ、下準備から完成まで数日を要する、手のかかる一品です。地域の人々の手で、代々受け継がれてきました。

そして「なかご」。ユウガオの種を包むワタの部分で、ツルっとした食感が地元で親しまれています。日持ちがしないため一般に出回ることなく、昔から「なかごの炊いたん」や汁物の具など、地元だからこそ味わうことができる食材として、水口町内で食べられています。

宇川ずしも、なかごも、水口かんぴょうがあって初めて成り立つ食べ方です。水口かんぴょうが、単なる乾物ではなく、地域になくてはならない食文化そのものであることを、この二つの食材が物語っています。

産地の証を得て

これからも

A Mark of Authenticity

水口かんぴょうは、2024年3月27日、地理的表示(GI)保護制度に登録されました。

水口かんぴょうは、2024年3月27日、地理的表示(GI)保護制度に登録されました。全国で150番目の登録産品です。

地理的表示は、品質や評価が、その産地と結びついていることを、国が認める制度です。
「水口かんぴょう」と名乗れるのは、この土地で、この製法によって作られたものだけ。400年の歴史と、それをつないできた生産者の努力が認められ、ここに公の証明を得ました。

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(現地購入)

JA’s Farmer’s Market

店舗名 住所 電話番号 営業時間 定休日
花野果市水口店 滋賀県甲賀市水口町水口6111-1 0748-62-0711 9:00~18:00 年始
ここぴあ(指定管理施設) 滋賀県湖南市岩根4528-1 0748-72-5552 9:00~18:00 年始

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